My diary.

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appleロスレスはiPhoneで何曲持ち運べるのか(appleの話:連載第3回)

はじめに

私はiTunesライブラリの楽曲をより良い音質で楽しむべく、保存形式を今まで利用してきたAACからappleロスレスに変更することにしました。ご存知の方も多いと思いますが、AAC形式で保存されたファイルをそのままappleロスレスに変換しても音質は向上しません。同じ楽曲をAAC形式からappleロスレス形式に置き換えるには、面倒でもCDから改めてappleロスレス形式で取り込む必要があります。

appleロスレスはCDと同等の音質で曲を保存できる形式で、可逆圧縮音声フォーマットとも呼ばれます。通常iTunesで配信されているファイル形式であるAACに比べるとビットレートが高く、より豊潤な聴き心地が得られます。しかし最大の問題はAACと比べて圧縮率が低い為、ファイルサイズがAACの数倍に膨れ上がるという点です。

私は今までにAAC形式で2000曲近い楽曲をiMaciTunesライブラリに保管してきました。仮にこれを全てappleロスレスで入れ直すとしても、標準で1TB以上のストレージを持つiMacで保管する場合は全く問題ありません。しかし私が所有する32GBのiPhone5sで持ち運ぶとなると話が変わってきます。iPhone5sAACでフォーマットされた曲であれば2000曲近いライブラリ全体をそのまま同期出来たのですが、appleロスレスとなるとそうもいきません。

appleロスレスのファイルサイズ

私が主に聴いているロック・ポップスの楽曲の場合、1曲の長さは約3分〜5分程度です。AAC形式の場合、ファイルサイズは約8MB〜12MBほどですが、同じ長さでもappleロスレスの場合は約26MB〜40MB程度に膨らみます。大雑把に考えると約3倍ほど増えるので、iPhone5sへの転送容量の上限を余裕を見て20GBに設定した場合、約700曲位しか同期出来ない事になります。他のアプリやデータがストレージを圧迫している人の場合はもっと少なく見積もる必要があるでしょう。

曲数を稼ぐ為にiPhoneiPodへの同期時にappleロスレスからAACへ変換する方もいらっしゃると思いますが、私はあくまでappleロスレスが持つ「CDと同等の音質」で聴いていたいので、この方法は採用できません。そうなると毎回聴きたいアルバムをPCのライブラリから限定して同期するしか方法はありませんが、「家にはその曲があるのに今聴く事が出来ない」という状況に陥るのもあまり面白くありません。

そうなると現状で思いつく手段は「ライブラリをシェプアップして再構築」となります。

シェイプアップとは

具体的にはアルバム単位における総収録曲数の見直しを図ります。平たく言うと1枚のCDアルバムからある程度曲を厳選してライブラリに取り込むことにします。今回私はappleロスレスで入れ直す為に新たにCDを買い揃えていましたが、残念ながらその全てをiTunesライブラリに収録してしまうといずれはiPhone5sへの転送容量をオーバーしてしまうからです。

ちなみに1曲が平均4分前後で、アルバムの総収録曲が15曲の場合、AACに変換して取り込めばアルバム全曲を取り込んでも約150MBの容量で済みますが、appleロスレスで収録する場合は約450MBの総容量になります。収録曲数によってはそれ以上になることもあるでしょう。つまりappleロスレスの場合アルバム2枚をフルに取り込むだけで簡単に1GB近くまで達してしまうのです。

計画実行

いよいよappleロスレス形式でのライブラリ再構築を始めますが、その前にAACで構築していた以前のライブラリ内のアルバムを一旦全て削除します。以前にも書きましたがiTunesで購入した楽曲であればいつでも再ダウンロードが可能なので、万が一気が変わった時にも安心です。AirMac Time Capsule等を所有している場合はバックアップから復元した方が早いでしょう。

iTunesライブラリに存在する同じアーティストの同名アルバムをCDからappleロスレスで入れ直す場合には、既存のAACバージョンに上書きすることが可能ですが、後述の理由で少しややこしくなってしまうので、ここではその方法は用いません。

私の場合好きなアーティストが多いのでなるべく多くのアルバムを入れたいと思います。以前のライブラリの完全再現は不可能ですが、アルバムの頭数を合わせる事は可能です。唯一の違いは収録曲数ということになりますが、シェイプアップを敢行すると誓ったからには涙を飲んで実行します。具体的には前述の容量計算を勘案し、AACで取り込んだ場合の総容量がappleロスレスで取り込んだ総容量と同じになるように曲数を調整します。

iTunesでCD取り込みの経験がある方はご存知でしょうが、データベース照合後にアルバム収録曲一覧が画面に現れるので、ここでライブラリに入れない曲のチェックを外すことで最初に取り込み曲数をコントロールできます。

取捨選択の基準は

この行為に決まった法則は存在しません。好きな曲の優先順位は人それぞれであって然るべきで、ヒットしていない曲にも優れた曲は多く存在します。あくまで自分のお気に入りを優先的に残し、それ以外は思い切って取り込みを断念します。

勿論捨てる曲が一切存在しないアルバムも出てくると思います。私の場合はアイルランドのバンドThe Cranberriesの『No Need To Argue』やアメリカのバンドR.E.M.の『Automatic For The People』などがそれに当たります。これらのアルバムは思い入れが強いので1曲たりとも捨てる訳にはいきません。そんな場合は無理をせず素直にそのまま取り込むことにします。事務的に収録曲数を整えると後で必ず後悔するので、自分の好みを最優先させていきます。

その反対にアルバム1枚で1〜2曲しか入っていないものも出てきますが、それはそれで自分に正直になった結果なので良しとします。この方法の良いところは、取り込んだCDさえ保管しておけば後でやり直しが出来る点にあります。以前私は手持ちのCDを処分して悔しい思いをしましたが、同じ失敗は2度と繰り返したくありません。今回は所有する32GBのiPhone5sに収められる容量でライブラリを構築しますが、将来もっと容量が多いiPhoneに買い換えた際も、CDさえ手元に残しておけば曲数を増やす、またはアルバムを完全収録することが出来ます。

まとめ

こうして作業を進めた結果、現在iTunesライブラリ内には厳選された408曲が収められ、総容量は11.4GBになっています。まだ買い揃えていないCDがあるので作業半ばといったところですが、単純計算してあと300曲程度は収められると思います。上手くいけば750曲近くまで収録できるかもしれません。総収録曲数は以前の2000曲前後から半分以下になる公算が高まりましたが、appleロスレスの良い音質で再収録された楽曲を聴いていると、そんな事は些細な問題に思えてきます。

今回はiMaciPhone5sで同じ楽曲を共有しなければ気が済まないという意固地な理由で作業を進めたので、家で音楽を聴く事を主体とされている方には全く関係のないお話だったと思いますが、改めて自身のライブラリを整理し、見つめ直すと様々な発見がありました。

今後も慎重に厳選したライブラリを構築したいと思っています。

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