My diary.

My diary.

キーボードの選定(自作PC始めました:連載第18回)

はじめに

自作PCを製作せずとも、キーボードを買い換えた経験のある方は少なからずいらっしゃると思いますが、キーボードはマウスと並んでPCのスペックに左右される部分が少ないデバイスだと思います。よって、自分の好みで選択することが可能ですが、その分選択肢の幅はいっそう広がります。

私がiMacで使用しているappleワイヤレス・キーボード(日本語配列)はスタイリッシュなデザインが特徴のBluetooth接続型キーボードです。わずかな力でキーを押せるので長時間作業しても疲れることは少なく、打鍵音は非常に静かなので深夜の作業時でも安心です。

少し不便に感じる部分は、BootCamp利用時にWindowsのキーボードとして使用する際、一部のキー配列が置き換わってしまう点です。apple製品での使用を想定して設計されているので仕方のない部分ですが、同じ名称のキーであってもプログラムによっては正常に動作しません。これを解消するには設定で調整するか、キー置き換えソフトの導入、もしくはiMacに別のキーボードを接続する必要がありますが、私は自作PCを組み立てることによって結果的にWindows専用機を入手したことになり、iMacMacOS専用に戻しましたので、今回は単純に自作PC用のキーボードを探すことにします。

自作PCの連載冒頭でお伝えした通り、自分の中にあったappleのデザイン縛りは捨てました。よってどの様なデザインのキーボードでも選択可能となりますが、押さえるべきポイントは確認しておかないと後で後悔することになりそうです。

耐久性

キーボードの価格帯は幅広く、安価なものは数百円から入手出来ます。ただそれらの多くは強度に不安があるプラスチック製で、頻繁に物理的な入力を受け付けるデバイスにしては少し心細い印象です。私は過去にiMacでBootCamp環境を構築する際、セットアップ中に詰んでしまうことが無いように有線式の安価なキーボードを別途購入したことがありますが、上記の理由に加え、見た目にも今後積極的に利用する気にはなれなかったので、処分してしまいました。

もしキーボードを長く使用するのであれば、素材の吟味は行われて然るべきです。私が調べた限りPCパーツに使用される一番堅牢な素材はアルミですが、この素材は使用箇所が多いほどコストと重量は増す傾向があります。コスト面は予算と応相談となりますが、デスクトップ用キーボードはほぼ据え置き状態になり、滅多に動かすことはない筈なので、重量はそれほど気にしなくても良いと思います。

そんな訳で私はアルミ素材を使用したキーボードを探すことにしました。

打鍵音

打鍵音はキーボードがユーザーに与える印象の中で比較的大きなウェイトを占める要素だと思います。種類や特徴に関しては情報が豊富に出回っているのでここでは省略しますが、最終的には使用者がどの程度の強さで打鍵するかによって変わってくる部分でもあります。

打鍵音にはそれぞれ特徴がありますので、Youtubeなどの動画でそれらの違いを確認するか、実店舗へ赴いて展示用のキーボードを触ってみると自分の好みの音が見つけられるかもしれません。

以上のポイントを勘案し、私が入手したのがCorsair K65 Compact JPというキーボードです。

f:id:saltypumpkin92:20150621103354j:plain

Corsair K65 Compact JP製品概要

このキーボードはゲーマー向けに発売されました。故に堅牢性を考慮した設計が施されています。本体のフレームはアルミ製。日本語配列のキー軸はCherry MX Redを使用したメカニカル方式で、打鍵音はapple製キーボードよりはるかに大きいですが、私はこの音が好きです。ゲーム中の誤動作防止用に配置されたWindowsロックキーは地味にありがたい存在です。テンキーレスで非常にコンパクトなボディである一方、アルミ製筐体なので重量は約870gあります。

所有するPCケースがCorsair製なので同メーカー製品ということになり、統一感も生まれました。USBによる有線接続で、ケーブルはスリーブ化されているので耐久性が高く、安心して使用できます。個人的にBluetoothはメーカーや機器の組み合わせによっては接続が万全で無い場合があるように感じられるので有線方式は歓迎です。

ゲーミング向けらしくW,A,S,Dのキートップは最初から色違いです。灰色という地味な色使いは全体のバランスを考えると色彩感覚に優れた配色だと思います。

気になる耐久度ですが、公称値5000万回のキーストローク寿命なので、極端に乱暴な打ち方をしない限りは長く使うことが出来そうです。

使用感など

実際に触れてみると、apple製の背の低いキートップに慣れた身にとってはキーの存在感や高さにまず圧倒されます。正直なところ最初は打ち辛く感じました。ブラインドタッチを行うとかなりの確率で打ち損じてしまうので、今のところ入力はしっかりと手元を確認しつつ行っています。また打鍵音がはっきりと響く為、使用環境によっては人に迷惑をかける場合がありそうです。私は深夜の入力作業を自粛しています。

テンキーありきで操作コマンドが設定されているblenderでの使用に関して言えば、iMac時代からユーザー設定の項目で「テンキーを模倣」に設定していたので特に不自由は感じていません。私の場合机に2台のキーボードが並ぶことになるので、マウスを置く位置を考えるとコンパクトな筐体の方が有難いです。

まとめ

自作PCを製作するにあたり、apple製品のデザイン縛りを捨てたと書きましたが、実は今回この製品を買った理由の一つがそのシルエットにあります。私はappleが80年代に発表した初代Macintoshに付属していたキーボードのデザインが好きで、今にして思えば無意識に似たようなデザインを探していたのだと思います。初代Macintoshのキーボードは方向キーすら廃していたのでもっとシンプルでしたが、今回購入したK65は見た目が非常にすっきりとしていて、どこかデザインが重なる部分があります。K65の設計者に聞かないと分かりませんが、もしかしたらキーボードはシンプルさを追求すると似たようなデザインに落ち着くのかもしれません。

全体の配色も購入の決め手となりました。所有するCorsair Air540は黒の配色です。中に入っているマザーボードのX99S SLI PLUSもモノトーンを基調とした配色となっています。これに合わせようとすると白やベージュ色のキーボードではちょっと浮いてしまいます。よって必然的に黒を基調とした配色を選ぶことになるのですが、このK65はそういった条件もクリアしていました。本体のアルミ部分はappleのそれよりも暗めのガンメタルに近い色合いで、黒と灰色のキートップと調和しています。もちろんPC全体の構成として眺めてみても綺麗に収まった印象を受けます。

この製品にたどり着くまでに色々なキーボードを触ってみましたが、こと打鍵音に関して言えば個人の好みがはっきりと分かれる部分だと思いました。また、製品レビューが概ね好評で、写真でも格好良く見えてたのに、いざ実機に触れてみるとどこか安っぽい印象を受ける物もありました。

私は今回非常に満足出来る商品と出会いましたが、このK65がしっくりこない方もまたいらっしゃると思います。ゲーミング向けキーボードには遅延発生を考慮した仕組みがあったり、また人間工学に基づいたデザインを施したキーボードなども存在しますが、やはり最終的には個人の好みで選んだほうが無難です。