My diary.

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モニターの選定(自作PC始めました:連載第19回)

はじめに

自作PCの世界において一番悩む部分となるのがモニターの選択かもしれません。私もこれだと思う製品に出会うまで随分時間がかかりました。今回は購入したモニターについてお話したいと思います。

iMacであれば本体はモニターとの一体型なので話は簡単でした。ユーザーは自己の環境に応じてインチ数を選ぶだけです。広大なデスクトップ領域を入手したい場合は27インチが最適でしょう。私が所有するiMacは解像度が2560×1440ピクセルありますので、複数のウィンドウを同時に開いて作業する事が容易です。

この環境に慣れていたこともあって、自作PC用のモニターを選ぶ最初の段階では同じ解像度の製品を探していたのですが、メーカーに拘らず現在購入可能な製品を確認してみると、実はappleユーザーに馴染み深い2560×1440という解像度のモニターは以外と種類が少ない事が判明しました。さらに、私がモニターに割ける予算は4万円だったのですが、現在流通している2560×1440ピクセルで27インチのモニターはその殆どが予算をオーバーしてしまいます。よって残念ながら今回はこの解像度のモニターは諦めることにしました。

現在自作PC向けモニター市場で支配的な解像度は1920×1080ピクセルの所謂フルHDで、続いて最近手頃な価格帯が登場した4Kモニターが注目を集めているようです。ピクセル数とは別にインチ数で見てみると、24インチまでのモデルが比較的入手し易い価格帯となっており、最も多く出回っています。各メーカーは独自の機能で他社との差別化を図っている状態です。

こうなると選択肢は膨大です。その中から自分に合ったモニターを探すために、私は今一度自作PC環境構築時に留意していた「目的」を再確認する事にしました。

作業領域

まずは作業領域です。高解像度及び等倍で写真編集やチラシ等の作成をする方にとってはピクセル数が多いモニターを選択する方が、一度に画像全体を表示する事が出来る為有利です。逆に少ないピクセル数のモニターで高い解像度の画像を表示するとスクロールを余儀なくされたり、縮小表示に頼る場面が多く出てくるでしょう。私の場合前述の理由で2560×1440ピクセルの解像度は諦めましたが、なるべく多くのピクセル数は欲しかったのでフルHDの解像度に狙いを定めました。ちなみに2560×1080というサイズのモニターも存在しますが、実機を確認したところ自分には合わない印象がありましたので選考から除外しました。

応答速度

次に応答速度です。階調によって違いはあるもののFPS系のゲームをする人にとっては非常に重要なポイントで、一般的にこの速度が早いほど入力から表示への遅延がなくなり、少ない数値程良いとされています。私はゲームも好きなので、応答速度が比較的早いとされる製品を選ぶことにしました。逆にグラフィックカードの性能を要求するような3D系のゲームは一切せず、普段モニターで見ているのは主に静止画で、画像を動かす場面はほとんど無いに等しいという方はそれ程気にする必要は無いでしょう。今回私は特定の階調における応答速度を製品ごとに注意深く観察しました。

表示品質

実際に店頭でモニターを見てみると、安価なモデルの一部には一見してそれと分かる表示潰れがあったりします。安かろう悪かろうという言葉がありますが、残念ながらモニターの世界では該当する製品があるようです。購入を検討している製品の表示品質が分かりかねる場合は、Web上や紙面の情報だけで判断せず、実際に店頭で現物を確認した方が良いでしょう。その際は店頭の照明器具の下で見る製品と、自分の作業環境に置いた時の製品の画面の映り具合の違いも考慮しなければいけない部分です。グレアとノングレアの違いや発色の具合、そして視野角は実際に現物で見比べると様々な発見があります。

もし近くに大型家電量販店やPCショップが存在せず、現物を見ることが叶わない場合はサイトでの評判を参考にするという手もあります。あまりに多くの商品や情報を閲覧し続けるとスペックに踊らされるきらいがありますが、多くの雑多なレビューが入り混じる現在においても信頼を勝ち得たメーカーや製品には概ね好意的なレビューが多いので、一定の判断基準にはなると思います。

こうした条件を考慮して私が購入したのがEIZOのFORIS FS2434です。

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製品概要

製品自体は2014年に発売されました。大きさは23.8インチで1980×1080ピクセルという解像度になります。世の中にはフルHDで27インチのモニターも存在しますが、同じく27インチで2560×1440ピクセルのiMacと並べると解像度の面で釣り合いが取れないので、個人的には丁度良いサイズだと思います。応答速度も申し分ありません。

肝心の表示品質ですが、今回EIZOの製品に決めた理由がまさにここにあります。購入前に大手家電量販店で実機を確認したところ、ノングレアタイプのモニターの中では最も自分の好みに合った画質であるという印象を受けました。EIZOは数多くの液晶シリーズを投入していますが、ユーザー評価が概ね高いという事実も購入を後押ししてくれました。

狭額ベゼルを採用している為、額縁のように幅の広いフレームを有するiMacとはまるで印象が異なります。ただ不思議なことに同じ机にこの2台を並べても何故か違和感は感じません。電源の関係上2台を同時に使用する事はありませんが、MacWindowsが良い意味で対照的になって面白いです。

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付属品と機能

本体には小型のリモコンが付属するので、私はこれで画質設定を行っています。プリセットの種類が豊富なので用途に応じて切り替えると効果があると思います。もちろんユーザー独自の設定も作成・保存が可能です。私はblenderでウェイトペイントを行う際にPaperモードに切り替えています。色味が大胆に変わるモードですが、通常見難いウェイトの色がはっきりと分かるようになって非常に便利です。また、このモードは名前の通り紙を見ているような輝度と発色を抑えた画面になります。その結果目への負担が軽減するので、色調調節を必要としない長時間の作業に向いたプリセットだと思います。

本体は水平回転とチルト機能を持っています。ただ私の作業環境では高さを最大に設定しても少し低かったので、以前購入していたウォルナットの無垢材を台座代わりにして高さを確保しました。結果約2cm上げた状態となり、iMacとの目線で考えるとベストなバランスになったと思います。IPSパネルなので視野角は広く、特定の位置で見え辛くなるという場面には遭遇していません。

台座の後ろには赤いケーブルリングを取り付ける事が出来ます。ここに本体やキーボード、マウスのコードを通す事によってケーブルマネジメントが容易になります。

スピーカーは標準で搭載されています。しかし私は左側に設けられたイヤホンジャックからヘッドフォンを使用して音を聞くので普段ここから出る音を聞くことはありません。ユーザーレビューで賛否両論だった本体画面の下に入っている特徴的な赤いラインについては、これが画面への没入感を妨げるということはありませんでした。ただデザインは好みの問題でもあるので、気になる方は気になってしまうと思います。

フリッカーフリーというチラツキを無くすバックライトを搭載しているので、目が痛くなることは今の所ありません。思わず長時間画面に見入ってしまうゲーム中でも安心です。

まとめ

この製品の価格設定は同じ解像度の他社製品に比べて高めです。ただそれは製品への自信の裏打ちと読み取ることも出来ます。私の場合は予算にギリギリ合っていたので迷わず購入することにしました。ゲーマー向けを前面に押し出したモデルで、画質調整のプリセットもそれに特化した物が多い印象を受けますが、ゲーム以外の用途で使用している時にも全く遜色の無い表示品質であり、私のように3DCGやPhotoshop、ゲームなどを一台で楽しみたい方には向いていると思います。

今後使用中に気がついた事があればまたご報告します。最後まで読んでいただきありがとうございました。