My diary.

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自作PC始めました(自作PC始めました:連載第1回)

はじめに

自作PCなんて自分には縁のない世界。そう思っている方は多いでしょう。実は半年前の私もそうでした。PCが欲しければ完成品はいくらでも出回っています。そして私には2012年に買ったiMac27インチモデルがあります。Windowsの方が遥かに楽しめるPCゲームをやりたい場合はBootCampの機能を利用すれば済みますし、何よりiMacは日本語フォントの表示が世界一美しいOSを搭載しています。これ以上一体何を望むと言うのでしょうか?

転機

iMacを購入後数年間は何不自由なく過ごしていました。その数年間で私が行っていた事は、主にインターネット閲覧と楽曲管理、ゲームやPhotoshop、そしてblenderを利用した3DCG製作です。ところが最近になって、GPUの性能を必要とする場面において各種ソフトウェアの動作が著しく低下する症状が発生するようになりました。それは特に重いグラフィックを処理する場面で発生します。私が所有するiMacGPUNVIDIA社のGTX660Mで、専有ビデオメモリは512MBです。実際のところ購入当初はGPUの性能やスペックが各種ソフトウェアにどの程度影響を及ぼすのかについては殆ど分かっていませんでしたが、どうやらGTX660Mの性能の限界が見えてきてしまったようです。

iMacが抱える宿命

PCとは不思議なもので、用語に慣れると一気に色々な情報の意味が分かるようになります。そしてPCのどのパーツがソフトウェアの動作に影響を与えているのかが分かってきた時点で私の頭の中に一つのアイデアが生まれました。

iMacに外付けでグラフィックカードを搭載できないだろうか?」

多くの人に鼻で笑われそうな話ですが、当時はかなり本気で考えていました。iMacに搭載されているGPUはノートPC向けに開発されたものです。モニターとの一体型であるiMacは、その無駄の無い研ぎ澄まされたフォルムで熱暴走させる事無く動作させる為、TDPが抑えられた省電力設計のパーツを多用しています。それは即ちTDPが高くなる傾向が高い「ハイエンド」と呼ばれるCPUやグラフィックカード等が搭載できない事と同義です。最近では巷に高性能なゲーミング・ノートPCが登場しつつありますが、どんなに高価な製品であってもその描画性能はデスクトップ向けのハイエンドCPUやグラフィックカードを上回る事はありません。一番の問題はハイエンド特有の発熱問題をノートPCの密閉された狭い空間では処理しきれない点にあると思います。これはメモリ交換用スロット以外にユーザーがアクセスできるハッチを持たない所謂窒息型の設計であるiMacにおいても同じ事です。

ノートPC向けのグラフィック性能がデスクトップ向けの性能を上回れないのであれば、内部の排熱処理を気にしなくても済む外付けのデスクトップ向けグラフィックカードがあれば、私のiMacも画像処理性能が飛躍的に向上するのではないか、そう考えていたのでした。

これは荒唐無稽な話では無く、宇宙人のロゴで有名なALIENWAREを販売するDELL社が最近になって実際に「ALIENWARE Graphics Amplifier」というノートPCに外付けでグラフィックカードを搭載できる製品を発売しています。つまり、技術的には可能なわけです。

しかしappleiMac向けにこのような製品を開発するとは思えません。私が所有するモデルは光学ドライブを廃したタイプです。これを見てもappleiMacに向けた設計思想はハッキリしています。極限まで無駄な部分をそぎ落としたデザイン。昔のPCでよく見かけた多くの外付け装置を接続して配線だらけになった図は故スティーブ・ジョブズ氏がプレゼンでジョークを交じえて観客に見せた光景ではなかったでしょうか。

さらに言えばiMacの上位機種にはMacProが存在します。プロ並みのスペックを望むのであればそちらをどうぞ、という事になるのでしょう。

NVIDIAAMDか、それが問題。

自作PCユーザーならずとも目にする機会が多いと思われるNVIDIA社とAMD社は昔からGPU開発競争でしのぎを削っています。現在のapple製品で見てみるとiMacNVIDIA社製のGPU、MacProがAMD社製のGPUを使用しているという状況です。GPUに対する開発アプローチが異なるので、どちらが良い、悪いという事は言えませんが、現在PC市場ではNVIDIA社製品のシェア率が高い模様です。

私は初めて手に入れたiMacが搭載していたGPUNVIDIA社製だったので、NVIDIA社には思い入れがあります。iMacを購入する以前、およそ十数年前に購入したメーカー製PCにはGPUが積まれておらず、オンボードグラフィックのみという状況でしたので、生まれて初めて接する独立したGPUが嬉しかったのです。ちなみにBootCamp環境でWindows向けゲームをする時に役立つNVIDIAコントロールパネルでの設定も好きです。

iMac自体は好きなので、グラフィックカードの外付けが不可能なら最新版に買い替えるという選択肢もあります。ただ搭載されているGPUがノート向けであるという事実に変わりはなく、それでは抜本的なグラフィック面の機能向上には繋がらないと思いました。

次なる選択肢に浮上したのがMacProですが、プロ向けとあって非常に敷居の高い価格設定です。それに搭載されるグラフィックカードAMD社製という事で私の感覚ではどうもピンと来ません。

appleからの解放

残る第3の選択肢は、apple社以外のPCの購入です。とは言うものの、iMacの美しさに触れた後では市販のPCはやけに野暮ったく見えてしまうのもまた事実です。それでもインターネット上で数あるPCの写真を日々閲覧していくうちに面白いデザインの筐体を見つけるようになりました。そしてそれらは主にゲーマーが所有する自作PCのカテゴリで良く見かけられます。

確かに筐体を含め全て自分好みのパーツを集めてPCを組み立てれば、自分だけのオリジナルPCが手に入ります。そしてグラフィックカードを含めパーツの交換は自由自在です。appleの完成されたプロダクトに長い期間接していた私にはまさに「目からウロコ」の話でした。さらに言えば自作PCの場合パーツ毎に買い揃える事が可能なので、完成品に一度に出費するという予算への負担も軽減できます。全く未知の領域ですが、これらの事実に私の心は大いに動かされました。

OSはBootCampでWindowsを利用していたので、自作PCを手に入れた場合はそこにインストールしてWindows OS専用機にする事が出来ます。以前はiMac一台でMacOSとWindowsOSを切り替えて利用していましたが、これからは物理的に別のマシンで運用するということです。

私の心は決まりました。グラフィック処理に強いパワフルなマシンを自分の手で組み立てよう。

遂に私は長年自分の中にあった「apple縛り」を解き放ち、自作PCの世界に踏み込んでいくことになるのでした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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