My diary.

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ストレージの選択(自作PC始めました:連載第10回)

はじめに

OSやデータを格納する領域としてストレージはPCには欠かせない存在です。私が所有するiMacフュージョンドライブという方式を採用しています。これはHDDとSSDを搭載し、使用頻度の高いデータをOSが判断してSSDに格納することで、データ読み出しを高速化させる技術です。

今回自作PCを組むにあたり、iMacと同じような構成にしようかと思いました。つまり、SSDとHDDを同時搭載するやり方です。OSはWindowsにするのでフュージョンドライブのような機能は使えません。つまりデータの格納先はある程度自分で判断する必要がありますが、SSDとHDDの組み合わせは多くの自作PCで利用されているコストパフォーマンスに優れたストレージ管理方法です。

ただし、HDDより高価だというデメリットがあるものの、SSDの利点はそれを上回るような気がします。その利点とはやはりデータ読み書きの速さです。

私はストレージ選びからHDDを除外し、昨今のSSD事情を調査することにしました。

昨今のSSD事情

基本的にSSDはHDDよりも高速で読み書きを行い、その転送速度は接続方式に左右されます。現在市場に最も多く出回っているのはSerial ATA接続のタイプです。しかし最近ではSerial ATA接続の転送速度上限を軽く突破し、更なる高速読み書きを実現するPCI-Express接続のSSDが注目を集めています。大容量モデルの価格帯はまだ一般的ではありませんが、256GBあたりまでの容量であれば現実的な価格で入手出来ます。

SSDを生産しているメーカーは複数あり、同じ容量と接続方式であってもそれぞれ価格と性能値が異なります。最近ではSanDisk社がSerial ATA接続タイプのSSDを安価な価格帯で次々と発表し、注目を集めています。そんな中、大企業が利用するストレージとして選ばれるほど揺るぎない信頼性を誇るSSDを生産しているのがintel社です。過去に発表したSerial ATA接続のSSDでは速度で他社に劣る場面もありましたが、PCI-Express接続の超高速モデル750 Series発表で一気に復権した印象です。ちなみに同接続方式で1GB以上の容量を持つSSDを販売しているのは現時点でintel一社のみです。

SSDの選択

異次元の速度と言っても良いPCI-Express接続にも興味を惹かれましたが、私は一般普及率の高いSerial ATA接続のSSDを選択する事にしました。SSDは容量が多いほどより高速で動作します。したがって大容量の製品を購入した方がSSDの恩恵を十分に受けられるのですが、さすがに1TB級の製品は高価で私の予算では無理があります。512GBの製品は頑張れば手が届く価格帯ですが、今までiMacのBootCampでWindows用にパーティションを切っていた領域が約240GBで、それにあまり不自由を感じていなかったので、今回は256GBまでの製品に絞って選ぶことにしました。私が所有するPCケースのCorsair Air 540は複数SSDが収容可能なストレージエリアを備えているので、将来的にはSSD増設によるRAID環境構築も視野に入れています。

そこで浮上したのがintel 530 Seriesの240GBモデルです。この製品は2013年に発売されました。今年の5月に新製品535 Seriesが発売されましたが、基本スペックはほぼ同じです。intel社のSSDは容量当たりの単価が他のメーカーに比べて割高で、この製品も例外ではありません。ただし前述の様にintelが製造するSSDは信頼性が高く、購入後はintel謹製の診断ツールも使用できます。

ストレージはデータを置く大切な部分なので、信頼性は高いに越したことはありません。そんな訳で私はintel社のSSDを購入する事にしました。

intel 530 Series製品概要

530 Seriesには他にM.2とmSATAの規格が存在しますが、ここでお話しするのは2.5インチの規格です。この製品には2種類の販売形態が存在します。青箱に収められたリテール品、そして茶箱に収められたバルク品です。基本的にリテール品は付属品とメーカー保証完備、バルク品はそれらの一部が付属するか一切無い、という考え方で良いと思います。付属品が不要な場合や、メーカー保証にあまり恩恵を感じない場合は、その分値段が抑えられたバルク品を購入するという選択肢もあるでしょう。今回は購入検討時にこの2種の価格差があまりなかったのでリテール品を購入しました。

リテールの付属品は取扱説明書、3.5インチ変換アダプター、ネジ、ケーブル類、ユーティリティ・ディスク、厚さを変換するスペーサー、そして「SPEED DEMON」と書かれたシールです。

SSDの本体は7mm厚で、付属のスペーサーを取り付けると9.5mm厚になります。ちなみにスペーサーはあらかじめ付いている表面テープで貼り付けます。私の場合はスペーサーを貼り付けた後、Corsair Air 540の右側チャンバーに4基標準搭載されている2.5インチ専用ベイに装着しました。

この2.5インチ専用ベイはネジ不要のツールレス構造なので、スライドしてラッチが噛み合ったら設置に関する実作業は完了です。配線は電源ユニット購入後に行います。

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PC完成後に行った定番のベンチマークソフトCrystal Disk Markによる計測。1GBのデータを読み書きするテストを行いました。読み込み速度はほぼスペック通りでしたが、私が入手した製品は書き込みの数値がメーカー公称値よりも低いという結果に。

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intel謹製のユーティリティSolid-State Drive Toolboxを起動したところ。SSDを最適化させるTrim機能は毎週欠かさず行う事が推奨されています。

 

最後に

過去にWindows8.1をiMacのBootCampで利用していましたが、フュージョンドライブではSSDにアクセスする事が出来ないので、実質HDD環境でWindowsを起動していたことになります。今回完全なSSD環境に移行して分かったのは起動の速さと読み込み速度の劇的向上です。ゲームのロード時間も嘘のように短くなりました。何より嬉しいのはHDDと比べて発熱量が少なく、振動にも強いという点です。過去に買ったメーカー製PCで起動不能となったHDDは、恐らくこの2つが原因で壊れたと思われるので、PCを安定した状態で運用する上での心配事が一つ減った気がします。

接続にはマザーボードか電源ユニットのケーブルを使用する予定で、intel独自の管理ユーティリティSolid-State Drive Toolboxは別途ダウンロードで入手可能です。その為リテールの付属品が盛大に余ってしまいましたが、3.5インチ変換マウンターには使い道がありました。

Corsair Air 540のマザーボード収納エリアである正面左側チャンバーには底面に2.5/3.5インチ共用ホットスワップベイが2基設置されています。SSDは右側のチャンバーに格納できるので、ここは主にHDDの搭載を前提に設計された場所だと思われますが、発熱問題を考慮した為かここだけ外壁が存在せず、大きな穴が開いた状態になっています。ケース底面なのでここからホコリを巻き上げることは無いのでしょうが、このままではとても絨毯の上には置く気になれません。そこで余った3.5インチ変換マウンターを1基、この場所に設置する事にしました。密閉状態とはいかないまでも一応金属製の壁ができたので、半分の面積は覆われた格好になります。RAID構築用にさらに一台購入した時には、同じくもう一か所も塞ごうと考えています。余談ですが「SPEED DEMON」のシールは大きいうえにデザイン的にケースに合わなかったので使用していません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。