My diary.

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内蔵型ドライブの設置(自作PC始めました:連載第11回)

はじめに

私が小学生の頃に住んでいた埼玉県所沢市花園町にはPioneerの工場がありました。お昼休みの休憩時間にキャッチボールをしている従業員のお兄さんたちを眺めながら下校した記憶は今でも鮮明に覚えています。

残念ながら花園町にあった工場は2007年に閉鎖されてしまいましたが、Pioneerは今も健在です。自作PCの分野では信頼性の高いドライブのメーカーとして世界中で有名です。

内蔵型ドライブの必要性

実は現在自作PCの世界において内蔵型ドライブは必須という存在ではありません。ご自身の目的や環境次第では組み込まなくても何の問題もない場合があります。appleは新しいiMacにモデルチェンジする際、標準搭載していた光学ドライブを廃しました。

近年著しいインターネット通信速度の向上や、ユーザーを取り巻く環境の変化は、ドライブ自体を必要としなくなっている所まで来てしまったのかもしれません。ソフトウェアやコンテンツはダウンロード販売が主流となり、映画のレンタルや購入もワンクリックで出来てしまう時代です。

しかしながらPCに光学ドライブがあると色々と便利なのもまた事実です。DVD-ROMの読み込みやCDのリッピング、映画鑑賞や保存していた各種データの書き出しなど、その気になれば用途は色々と存在します。自分がPCと付き合う上でどのような利用方法をとるのかを思い描けば、必要な光学ドライブが選択できるはずです。

ご存知のように光学ドライブには2種類の取り付け形態が存在します。汎用性が高い取り外しや持ち運びが容易なUSB接続の外付けドライブ。そして今回お話しする「PCのパーツ」として販売されている内蔵型ドライブです。

内蔵型ドライブについて

現在自作PC用に販売されている内蔵型ドライブの主流はBlu-rayディスクの読み書きに対応したモデルです。ドライブを販売するメーカーは複数存在し、製品は個々で対応規格や読み込み速度などのスペックに違いがあります。価格帯は主に対応規格と関係性が強く、付属するバンドルソフトの有無にも左右されますが、Blu-Ray読み書きに対応した機種は最安で5000円前後、後は1万円台が相場となっています。

光学ドライブでディスクの動画再生や編集、エンコード作業を行うには、それぞれ専用のソフトウェアが必要になります。もしこれらのソフトウェアを何も所有していない場合は製品購入時にバンドルソフトの有無を確認する事をお勧めします。有名ソフトウェア「PowerDVD」などは後からソフト単体で購入するとそれなりに費用が掛かります。もしOSのインストール程度しか利用目的がないという場合にはソフトウェアは必要ありませんので、ソフトが付属しない安価なバルク品を選択肢に加えても良いでしょう。

光学ドライブ、特に内蔵型ドライブの設置を考えている場合には、ディスクを物理的に回転させて読み書きを行うというシステムの構造上必ず発生する駆動音と、読み取り精度を含む製品の全体的な品質には十分に考慮する必要があります。自作PCユーザーは各人で所有するPCケースが異なる為、取り付け後の相性的な問題を判断する事は難しいと思いますが、信憑性が高いユーザーレビューを参照するとある程度の判断基準は得られると思います。

私の場合、USB接続の外付けドライブ(Apple SuperDrive)を一台所有しており、使用目的はインストール程度でしたので新たに内蔵型ドライブを買う必要は全くなかったのですが、前述の理由でPioneerには思い入れがあるのです。使用頻度はかなり低くなりますが、自作PCにPioneerのロゴを加えたいという個人的な思いも重なって、Pioneer製の内蔵型ドライブを購入する事にしました。

Pioneer内蔵型ドライブまとめ

 現時点でPioneerが発売している内蔵型ドライブの最上位機種はBDR-S09J-Xというモデルです。大きな特徴としてCDの再生品質チェック機能を搭載している点が挙げられます。リッピングを主に行う方には魅力的な機能だと言えるでしょう。本体には高級感のある艶有りピアノブラック塗装が施されています。塗装は見た目だけの仕上げでは無く、トレーに塗布された塗料はディスク回転時の防振対策にもなっているという念の入れようです。しかし最上位モデルである分価格は高めで、2万6千円台が最安価格帯となっています。

反対に最も安価で入手できる製品はDVDマルチドライブのDVR-S21Lです。Blu-Rayの読み書きは一切出来ませんが、最安で2千円台という価格帯は非常に魅力的です。

数年前までPioneerの内蔵型ドライブと言えば国内製造品が人気を集めていましたが、現在発売されている製品は全て海外生産に切り替わっているため、もし国産を求める場合は中古品を探すしか方法はありません。

Pioneer DVR-S21L

色々と検討した結果、最終的に私が購入したのは内蔵型DVDマルチドライブDVR-S21Lでした。私の場合PCでBlu-Rayにデータを書き込んだり、映画を鑑賞する予定が無かったので、これで十分です。

DVR-S21Lの魅力はやはりその価格です。OSやDVD版ソフトウェアのインストール程度の使用目的しかない私にとっては非常に好都合でした。ただしバンドルソフトは一切付属しませんので、DVDの再生やデータの読み書きに利用したい場合は別途用意する必要があります。OSのインストール程度であれば、ソフトウェア無しの状態でも読み込むことは可能です。

組み込みの実際

タワー型PCケースの場合、大抵5.25インチベイは水平状態で設置されています。市販されている内蔵型ドライブの前面にある商標やロゴも、それを考慮してスロットに対し水平に配置されています。ところがCorsair Air 540は、電源・ストレージエリアに該当する右側のチャンバーの面積が抑えられているため、電源ユニットや内蔵型ドライブは全て縦置きとなります。つまり、組み込み後はどうしても商標とロゴが縦向きになります。気になる方は気になってしまうかもしれません。

組み込み作業はいたって簡単です。先にケースのプラスチック製ベゼルを外し、そこに内蔵型ドライブ本体をスライドして装着します。マザーボードと電源ユニットに配線すれば作業は完了です。

今回一番驚いたのは、OSインストール時の動作音です。読み込み中にケース全体が唸りをあげるような轟音が発生しました。一瞬壊れたのではないかと心配してしまいましたが、このドライブは高回転時にケースとの相性で共振が発生するのかもしれません。この症状が発生したのはOSインストール時のみで、その後Photoshop CS6のインストール時には普通の読み込み音に変わりました。

まとめ

本音を言えばPioneerの国内工場で生産された製品を組み込みたかったのですが、それには少し遅かったようです。今回は内蔵型ドライブの調査や設置作業を通して、メーカーにも確実に時代の流れが訪れるのだという事を実感しました。

現在はインストール作業も終了し、使用する機会が減ったDVR-S21Lですが、PC本体を見る度に目に入るPioneerのロゴが心を和ませてくれます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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