My diary.

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マザーボードX99S SLI PLUSの話(自作PC始めました:連載第6回)

はじめに

マザーボードにはCPUに対応するチップセットが搭載されています。CPUを開発・販売するintel社とAMD社は、それぞれ独自のチップセットマザーボードを生産する各メーカーに提供し、メーカーはそのチップセットを搭載するマザーボードを生産・販売するという流れとなっています。

intelのCPUを選んだ場合、自動的にintel製のチップセットを搭載したマザーボードを選ぶことになります。私の場合はi-7 5820Kを選択したので対応するチップセットはX99となり、このチップセットを搭載するマザーボードの中から一つを選択して購入する事になります。

マザーボードはそこに様々なパーツを接続するためのまさに母体となるパーツです。自作PC用のマザーボードを製造販売するメーカーは現在数社あり、それぞれ特徴を持ったモデルを展開しています。販売価格帯は幅広く、1万円以内で購入できるモデルから、10万円を超える最高級モデルまで存在します。CPUクーラーと違って自作PCマザーボードの寸法は規格ごとに定められており、各社はこれを順守しています。故にどのメーカーの商品を選んでもPCケース内には同じように収まります。

どのサイズにするのか

PCケースとマザーボードはサイズの面で密接な関係にあります。中型サイズであるミドルタワーや大型のタワー型PCケースは、一般普及率が最も高いATX規格のマザーボードを収納するのに適しています。小型PCケースを選択した場合はMicro-ATXマザーボードを選択すると良いでしょう。仮にマザーボードを先に購入したとしても、大きさによる相互の選択に違いは生じません。マザーボードは基本的に大きいほど拡張性が高く、より多くのパーツを組み込む事が可能になります。大きさで違いが出てくる部分は主にメモリスロットやPCI-Expressの総数です。よって、最終的に自分がPCに望む性能をある程度理解しておかないと、後でパーツの増設が不可能になってしまったり、反対に使用しないスロットやコネクタ類が出てきてしまう事態に陥ります。

私が事前に購入していたPCケースCorsair Air 540は、最大規格Extended-ATXマザーボードまでを設置できるスペースを有しています。しかし私の場合、それほどモンスター・スペックのPCを求めていた訳ではありませんので、標準的な大きさであるATX規格のマザーボードで必要十分だと判断しました。

X99S SLI PLUS

私が購入したのはMSI社が販売するX99S SLI PLUSです。決め手となったのはX99チップセットを搭載するATX規格のマザーボードの中では比較的安価な価格帯であったということ、そしてモノトーンを基調とした落ち着いた配色、さらにグラフィックカード複数挿してマルチGPU環境が構築できるという点でした。

MSI社のマザーボードは同じチップセットを搭載する製品でもシリーズによってそれぞれ特色があり、ゲーム用PCを構築する際に有利に働く機能を有したものや、ミリタリークラス準拠という耐久性に優れたものなど、合計4種のカテゴリーで様々な商品展開が繰り広げられています。一昔前のPCのマザーボードはあくまで部品という領域を出ないデザインで基盤は緑一色という印象でしたが、最近では内部が見えるアクリルウィンドウを搭載するPCケース向けに配色が考えられた製品が多く、最上位モデルには高級感さえ漂っています。

製品概要

製品は黒一色の外箱に入っています。マザーボード本体はビニールで保護された状態で収められており、付属品の各種ケーブル類やSLIブリッジもビニールで小分けにされています。その他の付属品はROM、バックパネルなどです。取扱説明書は多言語表記でかなりの厚みがあります。言葉で説明するのが難しい作業についてはYoutubeで紹介されており、そのリンクも説明書内に記載されています。説明書自体は日本語の記載もあって非常に有難いのですが、翻訳が完全でないようで所々に不自然な文章が存在します。重要な注意点で意味が汲み取れない箇所が結構ありますので、読み進める際は自分の脳内で意訳を行うと良いかもしれません。

マザーボード本体はMSIが提唱するミリタリークラス4という耐久性を謳っているだけのことはあり、何も取り付けていない状態でも相当な重量です。素手で保持すると裏面端子の細かい突起部分が手に食い込んできて痛いです。ちなみにこのような基盤が剥き出しになっている精密機器に触れて作業する際は、自身の体から発する静電気によって機器をショートさせないように気を配る必要があります。前もって他の場所で金属部分を触って放電するか、市販の帯電防止手袋を着用すると安心です。

チップセットintelのX99 Expressで、対応するメモリの規格はDDR-4になります。以前の規格DDR-3とは全く互換性がありませんので注意が必要です。メモリスロットは8本用意されており、最大で128GBのメインメモリの搭載が可能です。拡張スロットはPCI Express3.0×16が4本で、最大3-WayまでのSLI、CrossFire環境でのマルチGPUをサポートします。私が選択したi-7 5820Kの場合は28レーン対応になる為、2-WayのSLI環境を構築した場合は×16、×8、3-Wayでは×8、×8、×8での動作となります。

X99S SLI PLUSにはPCI-Express接続時に最大公称値32Gb/sの高速転送を実現するM.2ポートが1基搭載されています。元々はノートPC内部のスペースが限られた空間での利用を想定して開発が進められた規格で、intel 9シリーズのチップセットを搭載するマザーボードからデスクトップ用としても利用できるようになりました。主にSSDを接続して利用する事が多いポートだと思います。ただ個人的にはまだ市場が成熟していない印象を受けましたので、現時点では利用する予定はありません。

ファン用電源コネクタはCPUファン用が2基、ケースファン用が3基の計5基となっています。Corsair Air 540の場合、CPUクーラーとデフォルトのケースファン以外にファンを増設しない状態だとこれで十分足りますが、トップ部にファンを置き、マザーボードから電源供給させる場合は別途分岐コネクタが必要になります。

最後に

この製品だけではないでしょうが、開封直後のマザーボードから発する独特の匂いが好きで、PCに組み込む前に私は何度も箱から取り出しては眺めて楽しんでいました。実はこの時点ではまだメモリとCPUを購入していなかったので、ケースには組み込む事が出来なかったのです。ただし剥き出しの状態で晒しているとすぐに本体にホコリが付着してきますので、必要な時以外はしまっておく方が良いかもしれません。

自作PCにおいて決められた組み立て順序は存在しません。ですが一般的にメモリとCPUは先にマザーボードへ装着し、その後ケースへ組み入れるのがセオリーとされています。メモリはスロットに差し込んだ後ラッチに噛み合わせるだけなので作業の難易度は低いのですが、CPU装着時には必ず固定用レバーの上げ下げが発生するので、PCケースの形状によっては作業に支障をきたす可能性があります。私が所有するCorsair Air 540は黒一色なので、マザーボードを組み入れてしまうと内部の見通しが利きません。そのような状態でCPUを装着するのは確かに無理があると感じました。

そんなわけで、このマザーボードは私がメモリとCPUを買い揃えるまでの一か月半の間、箱にしまわれた状態で保管されることになるのでした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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