My diary.

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CPU intel i-7 5820Kの取り付け(自作PC始めました:連載第7回)

はじめに

私は2015年初頭に自作PCのCPUをintel社のCore i-7 5820Kにすることに決め、価格調査を開始しました。目標は予算である4万円代前半での入手です。それからは価格.comで値段の変動を調べる日々が続きました。ところがi-7 5820Kの最安価格は2015年に入ってからというもの、4万円代後半から殆ど横ばい状態となり、下落する兆しが一向に見えてきません。

予算内での入手を半ば諦めかけていた2月のそんなある日、殆ど日課のようになっていた値段チェックをしていると、何と一気に42800円まで下落しているのを発見しました。厳密には新品ではなく、中古未開封品での販売だったのですが、何せ今回は予算に限りがあるので、すぐに購入手配をしました。少し危ない橋を渡っているような気もしたのですが、自分の中での想定価格とほぼ一致していたので、これは天の配剤だと考えるようにしました。

結果はどうだったかと言うと、購入したi-7 5820Kは現在に至るまで初期不良もなく普通に動作しています。実際今この記事を書いているのも、この時に買ったCPUを搭載した自作PCからです。これは本当に幸運だったと心から思っています。そういった経緯もあって、我が家にCPUがやって来たのは2月中旬のこと。写真で何度も目にしていた現物をようやく手中に収めることが出来ました。

i-7 5820K製品概要

i-7 5820Kは2014年秋にintelが発表したハイエンドCPUで、Haswell-Eというコードネームで呼ばれています。ソケット形状はLGA-2011-v3。6コア12スレッドで、動作クロックは定格3.3GHz。最大発熱量の指数であるTDPは140Wとなっています。末尾にKが付くことからお分かりの通り、倍率変更が可能なオーバークロック対応モデルです。

i-7 5820Kは同時発売された3モデルの最下位にあたるモデルで、一つ上のモデルi-7 5930Kが40レーン保有しているPCI-Express 3.0のレーン数が28となっているので、マルチGPU環境、つまりグラフィックカードのSLIやCrossFire構成を考えている方は少し注意が必要です。しかしその分3モデル中最も安い価格設定がされており、海外での希望小売価格は396ドルとなっています。一般的に手の届く価格帯のハイエンドCPUと言っても良いでしょう。

 マザーボードへの取り付け

CPUが手に入ったことで、先に購入していたMSI社のマザーボードX99S SLI PLUSへの取り付けがやっと行える状態になりました。作業中に事故が起こらないように帯電防止手袋を装着し、外箱から慎重にマザーボードを取り出します。購入時に付いてくる外箱がある程度頑丈な場合、マザーボードへのメモリ取り付けやCPUの固定作業はその上で行うことが可能です。机の上に置いた方が作業領域が広がる気がするかもしれませんが、マザーボード裏面は端子が剥き出しになっていて平滑ではない為、硬い面に直接置くのは危険です。また、メモリは差し込み時に力を入れすぎると破損の原因になるので、ある程度クッション性のある外箱の上で作業をした方が力加減をコントロールできます。マザーボードのCPU固定部にはプラスチック製のカバーが付いているので、作業前に取り外しておきます。このカバーは万が一メーカーへ修理に出す場合に輸送時の保護機能となりますので、捨てずに取っておくと良いでしょう。

恐怖のミシミシ現象

さて、いよいよCPUの取り付けです。いざCPU本体を持ってみると、支払った金額と比べてとても小さなパーツである事実に改めて驚かされます。ですがこの小さな石の中にとてつもないテクノロジーが凝縮されているのです。人間に例えると脳に当たる繊細なパーツです。intelの英語で書かれた注意書きにも「取り扱いはくれぐれも慎重に行うように」と書かれていましたので、パーツを持つ手にも自然と緊張が走ります。マザーボードにあるレバー式の固定具を引き上げ、設置部分にCPUを慎重に置きました。ちなみにCPUは置く方向が必ず決まっているので、図面を参照して正しい向きで設置する事が重要です。

以前の記事で少し触れましたが、この次の段階で恐怖に見舞われました。いざ固定具を引き下げようとすると、レバーに相当な手ごたえを感じたのです。最初に思い浮かんだのは、置く方向を間違っているのではないかという事でしたが、説明書や様々な記事を再確認すると、確かにこの方向で間違ってはいません。しかし合っているにしてはレバーが重くてすんなりと下がってくれません。思い切ってさらに押し下げると、「ミシミシ」「ジョリジョリ」という異音が聞こえてきます。マザーボードのCPUを受ける側には無数のピンが突き出ており、これらが発している音なのは間違いなさそうです。もしかしたらピンが折れてしまっているのではないか・・・嫌な汗が一斉に湧き出て、私は一度手を休めることにしました。

intel製CPUの特徴

これは後でじっくり調べて分かったことなのですが、intel製のCPUは装着時に独特の音を発するようで、自作PCユーザーの初心者はここで不安になって手を止めてしまうことが多いようです。私も例に漏れずここで見事に引っかかってしまいました。購入金額が金額なだけに、自分の手で破壊してしまったらどうしようという底知れない恐怖が手を止めてしまうのです。自作PCのベテランの方ですら「あの音だけは何度やっても慣れない」と書き込んでいるくらいなので、いかに人を不安にさせる音か、ご想像いただけると思います。

ミシミシはintel製CPUの特徴だという事が分かった私は、ミシミシ音を気にせず思い切ってレバーを引き下げることに決め、何とか無事にロックさせました。途中完全に手が止まってしまったので想定よりもかなり時間が掛かりましたが、ようやくCPU装着は完了です。自分の手で実際に作業を行ったので確信を持って言えますが、固定レバーを押し下げてintelのCPUとマザーボードを一体化させる際には、ある程度の思いきりとそれなりの力が必要です。置く向きと場所が正しければ、もし異音が聞こえてもそれはピンが噛み合っている音なので、所定の位置までレバーを引き下げてロックしても大丈夫です。しかしながらこの「力加減」は雑誌やWebからは全く読み取ることが出来ませんでした。実際に体験すると想像とは違った部分が出てくるものです。勉強になりました。

本来ならばすぐに起動チェックし、ひと安心したいところですが、私の場合はパーツを徐々に買い揃える方法を採っていたため、この「ミシミシ」が間違っていなかったと確認出来るまでに、さらに一か月待つことになるのでした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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