My diary.

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CPUとメモリについて(自作PC始めました:連載第4回)

はじめに

私はCorsair Air 540というPCケースを入手し、フロント部に標準で搭載されているケースファン2基をLEDタイプのものに交換しました。まだこの段階ではCPU、メモリ、マザーボードグラフィックカードというPCの能力を決定づける部分の選択肢は残されています。ここからは自分がどの様なPCを組み立てるのか、明確な道筋を思い描く必要があります。

CPUについて

私が今回自作PCを組み立てる上で目標にしているのは、3DCGや画像処理における全体的な処理速度の向上です。よって、CPUにもそれなりに予算を割くべきであると判断しました。PCケースが人間の体にあたる部分だとするならば、CPUは脳に該当する部分になります。作業全般の処理能力を決定づける大事なパーツなので、選択は慎重に行いたいところです。使用するソフトウェアの最適化状況にもよりますが、基本的にCPUはコア数とスレッド数が多いほど素早い処理を行います。そしてコア数と実勢価格はほぼ比例します。

CPUはintelAMDの2社から選ぶことになります。市場シェア率で見ると、個人や企業を問わずintelの製品が圧倒的に多く出回っています。ちなみに私が現在所有するiMacが搭載するCPUはintel製のCore i5-3470Sという4コア4スレッド、TDP65Wのモデルです。以前購入したメーカー製PCもintelのCPUを搭載していました。

そんな訳で私は使い慣れたintelを選択する事にしました。

CPUのみをカタログ的に調べるという行為は、自作PCを始めていなかったら一生縁のない作業だったかもしれません。実際に調べてみると、intelが販売している単体で購入可能なモデルだけでもかなりのバリエーションが存在します。前述の通り、最終的に組み上げるPCで何を行いたいのかを思い描いておかないと、ある程度まで製品を絞り込むことが出来なくなってしまいそうです。

CPUにはTDPや対応メモリの規格が定められているので、特定のモデルを購入した場合、その後のマザーボード、メモリ、電源ユニットの選択肢に影響します。また、TDPが高いモデルを購入する場合には、安定した運用の為に相応のCPUクーラーが必要となる場合があります。最終的に全てのパーツを収めるPCケースとの兼ね合いも考慮に入れて考えると安心でしょう。

intelの製品カタログを眺めていると、i7-5820Kという製品が目に留まりました。i7-5820Kは2014年秋にintelから発表された新CPUで、Haswell-Eというコードネームで呼ばれており、3種類のタイプが存在します。i7-5820Kはその最下位モデルに該当します。型番末尾にアルファベットのKが付くので倍率変更、所謂OC(オーバークロック)が可能なモデルです。ちなみに末尾にXが付く場合は最上位モデル、SかTが付く場合は省電力モデルになります。

i7-5820Kは6コア12スレッド構成で、最新規格のDDR-4メモリに対応します。

メモリについて

現在市場に最も多く出回っているメモリの規格はDDR-3というタイプです。私のiMacもこの規格のメモリを搭載しています。メモリは規格によってスロットに差し込む部分の切り欠け形状が異なります。ちなみにiMacはノートPC向けのメモリを搭載していますが、ノートPC用とデスクトップ型PC用のメモリはピンの数や大きさが異なる為、互換性は全くありません。

自作PC用のパーツに決まった購入順序は存在しません。ただし購入するCPUを決定するとマザーボードの選択肢が自動的に狭まり、対応メモリ規格が定まります。マザーボードを販売するメーカーは自社の製品で動作確認済のメモリをPDFファイル等で開示する場合が多いので、これを参考にすると良いでしょう。

昔に比べると安定性が高まったように感じられるPCパーツの各種組み合わせにおいても、メモリは未だにマザーボードやCPUとの相性問題が発生しやすい部品です。同じ型番でも製造時期によって問題が発生する可能性があるというシビアなパーツなので、選定には慎重を要します。

余談ですが私は過去にiMacのメモリ増設を行った際、メモリについては全くの素人だったので、インターネット上の事例を見て勉強しました。appleのホームページにはガイダンスがあり、規格までは特定できたのですが、メーカーによる相性問題についての事例が極端に少なかったので困った記憶があります。当時iMac増設用メモリとして人気が高かったのは、成功事例が多く、現在よりも安価だったシリコンパワー社のメモリでした。同製品はiMacユーザーの需要によって長期間の品切れ状態に陥った為、私は仕方なくiMacに元々組み込まれていたメモリに記されていたhynixという名前を手掛かりにSanMax社製のメモリを探し出し、何とか無事に増設を成功させたという経験があります。ちなみにメモリは数年経過した現在も問題無く稼働中です。

 メモリは決まったものの、購入に一抹の不安を感じる場合は、万が一の相性問題発生時の交換保証を設けているショップで購入すると良いでしょう。近年は全般的にメモリの価格上昇が発生してしまった為、手頃な価格で入手できる機会が大幅に減っている印象を受けますが、PCパーツ専門ショップが不定期に行うセール等を利用すると、購入費用の負担をある程度軽減できます。

i7-5820KとDDR-4メモリ

i7-5820Kに対応する最新規格のDDR-4メモリは前世代のDDR-3メモリと比較して速度向上、電圧低減を実現した規格です。CPUにi7-5820Kを選択する場合、メモリはこのDDR-4一択となります。昨年登場したばかりなので、appleが大幅にモデルチェンジして発表した黒い筐体の新しいMacProにも搭載されていない次世代のメモリです。今回自作するPCで密かに「新しいMacPro超え」を狙っていた私の心は躍りました。唯一の問題は最新規格の為、価格設定が高いという点です。

CPUとメモリの選定

自作PCの世界において投資金額と満足度は必ずしも比例するものではなく、個人の価値観とPCの用途をいかに合致させるかが重要です。少ない投資金額で満足の行くPCを組み立てられればそれが一番だと思います。また、自作PCユーザーの中にはオーバークロックによってハイエンドCPUを凌駕する性能を低予算で実現させる方もいらっしゃいます。初めて自作PCを組み上げる私には到底真似出来ない技です。

ただ今回私が自らに課した目標はあくまでハイエンドPCの入手です。予想していたよりも大幅な出費増になりますが、CPUはハイエンドモデルの位置づけとなるi7-5820Kに決め、まずはその規格に対応したメモリを探すことにしました。

メモリは色々と検討した結果、個人的に信頼しているSanMax社の製品、SMD4-U16G28H-21P-Qを購入しました。4GB×4枚がセットになった計16GBの商品です。ちなみにこのメモリもhynix社製DRAMを使用しています。購入先はこれも個人的に信頼しているPCショップARK様にしました。iMac時代からお世話になっているお店です。

SanMax SMD4-U16G28H-21P-Q製品概要

288pinのDDR4-SDRAMで、4枚のメモリは黒い外箱に収められています。これは16GBセットですが、別に8GB×4枚の32GBセットも存在します。メモリ本体の外観はPCパーツで良く見かける緑の基盤で、特別な装飾は一切施されていません。自作PCユーザーに人気のCorsairが販売する豪華なヒートスプレッタを装着した背の高いOCメモリと比べると非常にシンプルな外観です。しかしこの時点でCPUクーラーの選択が全くの白紙状態であることを考えると、後々ヒートシンクのクリアランスがメモリの背の高さによって妨害されるといった予期せぬ事態を引き起こす可能性は低くなるので、この選択で良かったと思います。また、背の高さを抜きにして考えても、Corsairのメモリは価格帯が私の予算に見合っていなかったので選ばなかったと思います。

まとめ

私がCPUの選択で頭を悩ませていた頃に人気だったintel製のCPUは「Devil's Canyon」の名称で有名なコードネームHaswell Refreshの最上位モデル i-7 4790Kでした。4コア8スレッドでTDPは88W。倍率変更可能でありながら、通常使用時でも定格4.0GHzという高い動作クロックが人気の理由に挙げられると思います。正直このモデルにも非常に魅力を感じていましたが、私が最終的に選んだのはi-7 5820kでした。理由は何といっても未知の領域である6コアです。クアッドコアiMacで経験済みなので、果たして6コアとはどういうものなのか体験してみたかったのです。予算的には厳しくなりますが、ここで頑張ってハイエンドCPUを入手しておけば、数年は快適に作業できるのではないかと思いました。

しかしその後CPUの装着時に予期せぬ事態に見舞われる事になろうとは、この時点では全く予想していなかったのでした・・・。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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